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顔面神経麻痺に対する治療

ここでは、主に末梢性顔面神経麻痺であるBell麻痺(ベル麻痺)とHunt症候群(ハント症候群)についての治療法をご紹介します。


■抗ウイルス薬
Bell麻痺(ベル麻痺)とHunt症候群(ハント症候群)は、どちらもウイルスの再活性によるものであり、HSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、ともにウイルスの増殖を抑えるため、抗ウイルス薬を使用しています。


■ステロイド
顔面神経麻痺は、顔面神経管の中で膝神経節が炎症性神経浮腫、絞扼、虚血を起こしているため、これらの症状を軽減するステロイドを使用します。ステロイドは、顔面神経麻痺に対する治療の第一選択で、治療の推奨度もAになっています。

そして、上記以外に、神経再生を促進させるためのビタミン剤や血流循環薬を使用します。
急性期の治療目的は、どちらの疾患も神経の再生を促進させることではなく、変性を防止すること、そのために、一刻も早く、側頭骨骨管内(顔面神経管内)で起こっている炎症、浮腫を改善させなければなりません。


■星状神経節ブロック
星状神経節ブロックとは、ノドの横にある星状神経節という部分に麻酔注射もしくは、レーザーをあてる治療法です。
星状神経節とは、下頚交換神経節と第1胸部交感神経節が癒合した神経節で、その支配領域は頭部、顔面部、頚部および上胸部となります。
頭頚部交感神経系の緊張亢進は、顔面神経の微小循環を障害する可能性を指摘されていて、さらに、交感神経の過緊張によって障害された顔面神経の微小循環は緊張の解除により回復する可能性があるとされています。
星状神経節ブロックをおこなうことで、顔面神経麻痺の病変部の血管を拡張させ、虚血を改善させる働きがあり、変性の進行を阻止することが期待されています。
特に、妊娠中の女性、小児、重症糖尿病患者さんなど、ステロイドを使用できない場合、およびステロイド使用によって高血圧を誘発した場合(発症頻度20%、高齢者は約2倍)、ステロイドによって胃酸分泌の亢進、胃粘液分泌の減少を引き起こし胃潰瘍を誘発した場合には、ステロイドの代わりに星状神経節ブロックを使用することがあります。 ※
鍼灸治療の場合、鍼治療の鍼を使用して物理的な星状神経節ブロックをおこなうことも可能です。 ただ、この治療法は単純な考え方でおこなっているため、治療効果としては不十分なものとなります。
鍼灸治療の良いところはもっと安全で奥深い部分があります。鍼灸治療が体全体にもたらす効果は、科学的にみると、様々な病気の回復に必要不可欠な自律神経のバランスを整えることもできます。これは、物理的な交感神経抑制刺激とは違い、神経興奮が過剰なところは抑え、神経興奮が低下して支障が出ているものに対しては興奮を高めてくれる効果があります。
自律神経は大きく分けると、交感神経と副交感神経に分かれ、それぞれが活動しています。ある鍼灸治療をおこなうと、この2つの自律神経の機能を高めてくれる効果があります。



■表情筋伸張マッサージ
表情筋伸張マッサージとは、神経断裂線維の再生過程で、迷入再生を促進させてしまう強力で粗大な随意運動や神経筋電気刺激(低周波療法)のかわりとして表情筋線維に対し水平に伸張する手技です。少しコツがありますので顔面神経麻痺専門家の指導が必要です。


■ボツリヌス毒素
「しわ」や「わきが」など美容業界でもよく使用されるボトックス注射、この注射をおこなうことで、顔面神経麻痺の後遺症である顔面拘縮や病的共同運動を軽減させる働きがあります。この注射をするタイミングは、顔面拘縮や病的共同運動が完成する発症から8〜10ヶ月以降、ある程度筋力強化をした後になりますので、発症から1年以上後におこなうことがあります。


■鍼灸治療
当院でおこなう、顔面神経麻痺に対する鍼灸治療は、発病してすぐの急性期から、数か月〜数年経過した状態でも治療対応可能です。
当院の専門的な治療は、最新の顔面神経麻痺ガイドラインに沿って行うため、損傷した表情筋、顔面神経に対して、髪の毛より細い使い捨ての鍼で優しく、より効果的に治療することができます。
麻痺に対する局所的な治療では、様々な検査結果を基準にしておこないますが、現在使用している、40点法やSunnybrook法の評価では細かく診断できません。そのため、当院では、患者さんが普段の生活で症状が気になる時の状態を聞き、治療前毎に確認しながらさらに細かく評価し、治療部位を変えながらおこなうこともあります。
また、禁忌となっている、迷入再生を促進させてしまう強力で粗大な随意運動や神経筋電気刺激(低周波療法)を顔面部におこないません。



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