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複視・斜視

複視タイトル


 ■ 斜視・複視とは        



 物を見る時、正常な場合は右の目玉と左の目玉が同じものを見ようとして一点に焦点を合わせるために同期して動くものです。

正常な見え方

※正常な物の見え方



しかし、眼球を動かす一部の筋肉が麻痺等を起してしまうと、焦点を合わせようとしても、同期せず、右と左でバラバラな動きを起こしてしまい、物が二重に見えてしまいます。寄り目をしたことがある人はご存知かと思いますが、寄り目をすると目に入るものは二重に見えてしまうものです。

複視の見え方

※物が二重に見える複視の見え方

例えば、麻痺した方の外側の下を見た時にだけ二重に見えてしまいます。


複視の見え方2




症状がひどいと、まっすぐ向いていても焦点が合わない、他人が麻痺をおこした患者さんを見た時に、麻痺した方の目だけ寄っているように見えます(斜視)。

斜視は子供では約20%にみられ、小児眼科の代表的な病気です。

斜視は人口の約3%にみられるとする統計もあり、決して珍しい病気ではありません。斜視の患者さんの多くは、幼少期に症状が現れ、家族の方に連れられ眼科医のもとを訪れます。しかし、なかには家族の方が目の異常に気がつかなかったり、あまり大したことはないと考えたりして、眼科医にかからないままになってしまう患者さんもおられます。さらに、眼科医にかかっても眼鏡をかけて調子が良くなったり、斜視の手術をするとそれだけで治ってしまったと考え、治療や定期検診を中断される患者さんも多いようです。

 大人の斜視にはこのような患者さんが多く含まれます。また、近視の強い人では目が寄ったり、目を動かす神経や筋肉の異常のために目の位置がずれる患者さんもおられます。


斜視は、視線が内側にずれる内斜視、外側にずれる外斜視、上または下にずれる上下斜視などがあります。斜視があると、物を立体的にとらえたり、遠近感を感じたりする両眼視機能が使えません。

目は近いものを見る時、ピント合わせをします。この動きを調節といいますが、調節に伴って両目の眼球は内側に寄ってきます。例えば、遠視の場合は近くを見る時、調節の力がふつうより強く働くので目が内側に寄って内斜視になるのです。これを調節性内斜視といいます。


 ■ 斜視・複視の種類       



 複視は、片目で見たときに存在するでしょうか?もしくは、両目で見たときに存在するでしょうか? 右手で、右目を隠してみてください、複視は存在するでしょうか? もし、そのとき複視を自覚すれば、左目の異常です。その逆に、左目を隠したときに自覚する複視は、右目の異常です。この片目で見える複視を片眼性複視といいます。原因としては、単眼ごとの疾患や屈折の異常(乱視など)が考えられます。

 片目で見たときには一つになり、両目で見たときのみに二つになる複視を、両眼性複視といいます。右目と左目で違うものを見ているとき、つまり斜視があるときに存在する複視が両眼性複視です。ここでは、両眼性複視についてご紹介します。



斜視・複視図



斜視の原因はいろいろあって眼球を動かす筋肉や神経の病気、手術後の後遺症、遠視、両眼視の異常、視力不良があげられます。

眼球を動かす筋肉や神経に病気があると、眼球が動かなくなって目の位置がずれ、斜視になります。


 ■ 斜視・複視の原因       



 目のずれがどちらにあるかで、原因を主に3つに分類して説明いたします。

 1.外斜視        

 上眼神経麻痺   


 瞼(まぶた)が垂れる(眼瞼下垂)、目の動きが悪い(眼球運動障害)や、目が外側に向いてしまったことを主症状として発症します。眼瞼下垂は、瞳を覆うような重症な下垂であることが多いです。眼球運動障害は、外向き以外の3方向(上、下、内)が障害されます。眼瞼下垂が重症なためかえって複視を自覚しない症例もありますが、眼瞼を拳上することで複視を自覚します。眼瞼下垂、眼球運動障害に加え、瞳が広がって(散瞳)、光に対する反射がなくなっている場合があります(瞳孔障害)。

原因としては、瞳孔障害がある場合は、脳動脈瘤である可能性が高く、頭痛を伴うことも少なくありません。脳動脈瘤の破裂は、クモ膜下出血を発症して、命にかかわることもあるため、早急に磁気共鳴画像法(MRI)などの頭蓋内の精密検査、および脳神経外科による処置が必要となります。瞳孔障害がない場合は、動眼神経の虚血や脳梗塞、頭部外傷などが原因として考えられます。しかしながら、瞳孔障害がないからといって脳動脈瘤の存在を否定してかかることはできません。


 2.内斜視        

 外転神経麻痺   


 眼球を外側に動かす神経が麻痺(動きが悪くなる)し、複視を自覚します。複視は、麻痺側を見ようとすると悪化します。原因としては、脳血管障害、糖尿病、頭部外傷などが考えられます。通常、片眼性ですが、脳腫瘍などで頭蓋内圧が上昇した際は、両眼性の外転神経麻痺を引き起こします。


 3.上下斜視       


上下に眼位がずれ、垂直方向の複視を自覚します。

 上斜神経麻痺   

 目を内下方に引っ張る筋肉である上斜筋の動きが悪くなるため複視を自覚します。筋肉の動きは、目を内下方に動かす以外に内向きにねじる(回旋)働きがあり、内向き回旋も同時に障害されます。そのため、患側を見ると複視は減弱し、健側を見ると複視は悪化、患側に首を傾けると複視は悪化し、健側に首を傾けると複視は減弱します。

 原因としては先天性、脳循環不全、糖尿病の末梢神経障害、外傷などが挙げられます。先天性が年齢とともに顕性化することもあります。後天性発症の一部は、自然経過によって改善することがあります。そのため治療で手術をする際は、半年以上の経過をみたのちにする必要があります。


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