めまいをともなう病気
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症の特徴は、

頭を横に動かすとめまいを誘発する

頭を動かさなければめまいは起きない

難聴はあらわれない
ということがあげられます。
ストレスや疲れが溜まっている人、睡眠不足の人、肩こりが強い人等は要注意です。
椎骨脳底動脈不全症
長年、めまいとそれに伴う様々な症状に苦しむときは疑いましょう
心臓から出た動脈が、首の骨である頸椎の中を通る椎骨動脈と、そこから後頭部のところに来て脳の中に入って行く脳底動脈の総称を椎骨脳底動脈といいます。
椎骨動脈は、頸椎にある細い穴を通っているので、頸椎のズレや頸椎周りの筋肉の緊張などの影響をうけやすく、脳底動脈は、後頭部のところで急カーブして脳に入って行くので、後頭部周りの筋の緊張の影響をうけやすい構造となっています。
椎骨脳底動脈不全症とは、動脈硬化により血管がアテローム変性し、通り道が細くなっている状態を指しますが、頸椎のズレや周りの筋緊張の影響で血流不全になる場合も、椎骨脳底動脈不全症の症状があらわれます。
めまいを伴う症状チェック項目
椎骨脳底動脈不全は、めまいとともに以下の様な症状があらわれます。

難聴や耳鳴りなどの耳の症状が現われることはほとんどない

靴を履くなど下を向いた時にめまいが起きやすい(縦の動き)

手足のしびれ

頭痛

嘔吐や吐き気

物が二重に見える(複視)

霧がかかったように見える(霧視)

意識が遠のく

冷や汗

口周囲のしびれ
メニエール症候群
一般的に言われているメニエール病。患者さんからしたらメニエール病と変わらない
メニエール病とは別に、メニエール症候群という病気もあります。これは、メニエール病と同様に「めまい」、「耳鳴り」、「難聴」の症状があらわれますが、違いは「内リンパ水腫がない」ということです。
レルモワイエ症候群
「めまい」から症状があらわれない病気
めまいがあらわれる病気の一つとして、レルモワイエ症候群という病気があります。メニエール病は、繰り返す激しいめまいが先にあらわれますが、レルモワイエ症候群は、難聴や耳鳴りの後に「めまい」があらわれます。また、メニエール病同様に「内リンパ水腫」が確認できます。
早急な対応が必要なめまい

小脳出血
小脳出血の症状は、回転性めまい発作、頭痛、嘔吐が特徴的で、四肢の麻痺や意識障害も早期にあらわれ、項部硬直(あおむけで頭を持ち上げると抵抗がある状態)、眼振もあらわれます。
その他、Wallenberg 症候群(後下小脳動脈閉塞)、前下小脳動脈梗塞なども注意が必要です。
こどものめまい

子供に最も多いめまいには起立性調節障害という病気があります。これは体の発育に比べて循環器系や自律神経系などの身体機能の発育が未熟なために、急に立ち上がった時に必要な頭蓋内への急速な血液供給が間に合わない場合に発症します。いわゆる脳貧血状態です。
症状は立ち上がった時の「眼前暗黒感」、「ぐらぐらするめまい、立ちくらみ」、「嘔気」、「頭痛」、「腹痛」などです。
したがって、問診上で典型的な回転性めまいの訴えの場合には起立性調節障害以外の他のめまい疾患を考えるべきです。
小児自律神経研究会が作成した起立性調節障害の診断項目は大症状と小症状の二つに大別されています。