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お灸の作り方

■お灸ができるまで
お灸は、草餅などにはいっている「よもぎ」の葉を原料にしてつくられています。

お灸はヨモギからできている




1.摘み取り

お灸の原料よもぎの摘み取り

よもぎの摘み取りは、5月〜7月、花が咲く前に摘み取ります。



2.天日干し

お灸の原料、よもぎの天日干し

摘み取ったよもぎの葉は、葉と茎にわけて、葉だけを天日干しで乾燥します。
その後、陰干しにて乾燥させます。



3.火力乾燥

お灸の原料、火力乾燥

天日干し乾燥させたよもぎの葉は、より良質のもぐさにするため、火力乾燥させます。



4.粉砕

お灸の原料、乾燥させたよもぎの粉砕

完全によもぎが乾燥したら、粉砕機にかけて細かく砕きます。



5.臼で挽く

お灸の原料、粉砕したよもぎの石挽き工程

粉砕したよもぎは、目の粗い石臼で挽いた後、だんだん細かな石臼で挽くようにします。
だいたい3回ほどおこないます。



6.分離、精選

お灸の原料、石挽きしたよもぎの選別

臼で挽いた後は、唐箕(とうみ)というふるいにかけ、もぐさとして必要のない不純物を取り除きます。


このようにしてつくられたもぐさは、鍼灸師の手によって形を整え、患者さんに施灸したり、
家庭用としてお灸業者さんから販売されたりしています。


■お灸で美しくなる:症状別ガイドブック

お灸の始め方

■お灸を始める前に

お灸をはじめるにあたり、準備するものは、お灸、灰皿、ライター、消毒液、綿花などがあります。
灰皿は、お灸が終わった後に入れるためのもの、また、熱くて途中で取りたいときに安全に捨てるためのものです。ライターは、ご自分の手がライターの火でヤケドしないように、柄の長いものにしましょう。お灸に火をつけることで、お灸から茶色いヤニが出てきます。肌が弱い人、色白の人、体が弱っている人はお灸のヤニがシミのように残ってしまう場合があります。時間と共に消えていきますが、気になる人は、お灸が終わった後に消毒液を、綿花や化粧用のコットン、ティッシュに染み込ませ、お灸のヤニをきれいに拭いてください。
お灸は、体質や、その日の体調によっても熱さの感じ方が違います。虚弱体質の人や、体が弱っている人は、一度にたくさんお灸をすえると、お風呂でのぼせたように気分が悪くなることがあります。これは、お灸の熱刺激によって、体の中の血液が一気に循環し始めた為です。お灸で体調が悪くなったわけではありません。むしろいい反応ですが、少しでも気分が悪くなるのを避けるため、一度にたくさん、もしくは同じツボに何回もお灸をすえるのは避けましょう。
お灸をするときに必要なもの:ライター お灸をするときに必要なもの:チャッカマン

■お灸をする時の注意事項

・衣服や髪の毛はしっかりととめておく
(衣服の襟や袖、裾、髪の毛などに火がうつらないようにするため)
・お灸が倒れないように皮膚にしっかりと押しあてる
・お灸を下向きにつけると倒れたりして、ヤケドの恐れがあるので無理な姿勢ではおこなわない
・熱さが我慢できないとき、安全に除去するために手の届くところに灰皿を置いておく
・入浴前後や食後すぐ、空腹時または、アルコールを飲んだ後にはお灸をおこなわない
・風邪など発熱時にはおこなわない
・傷口があるところにはおこなわない
・リウマチやねんざなど、熱があり腫れているところにはおこなわない
・子供が近くにいる時はおこなわない
(子供が不意にお灸をさわる危険があるため)
・ヤケドをするほど何回も同じところにおこなわない


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ツボの探し方

■ツボを探す基準となる骨度法(こつどほう)

東洋医学では、ツボを探す方法として、骨度法という計測方法を使います。
単位となるのはセンチ(㎝)ではなく、寸、尺を用います。
1寸は3㎝、1尺は30㎝となります。
また、大人、子供、男、女それぞれ同じ年齢、性別であっても、一人ひとり体型が違います。そのため、ツボの位置を寸、尺だけでとらえてしまうと誤差が生じてしまいます。
東洋医学の考え方では、この誤差を解消するため、骨格を基準にする骨度法というものを使います。この方法は、一人ひとり、個人の骨格を基準にして、その人の体のある部分の長さを尺度として計測します。

以下には、これから紹介するツボに関係する計測法をあげていきます。(イラスト)

ツボ骨度法:1寸
■親指の幅:1寸


ツボ骨度法:2寸
■指3本(人差し指、中指、薬指の
指先に一番近い関節のところ):2寸


ツボ骨度法:3寸
■指4本(人差し指、中指、薬指、小指の指先から2番目にある関節のところ):3寸

ツボ骨度法:8寸と5寸
■胸骨体下端(みぞおち)からへそ:8寸
■へそから恥骨:5寸

ツボ骨度法:1尺
■肘から手首:1尺

ツボ骨度法:1尺3寸
■膝下(スネの骨の一番上)から足首:1尺3寸



■ツボがある場所
ツボは、正確には経穴(けいけつ)と呼ばれ、体中に走行している経絡(けいらく)と呼ばれる流れを通して、体の状態を教えてくれる大事な場所です。また、経穴を通じて体の変調がおこるため、病気になるのも経穴、治療に使用するのも経穴となります。
ツボがある場所は、押すと凹むところや気持ちいいところにあります。筋肉と筋肉の間、関節、骨の際、などにあります。


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東洋医学の考え方

◎東洋医学の考え方 ■東洋医学の基礎 〜陰陽五行論〜
東洋医学を考えるうえで、一番基礎となっている考え方が陰陽五行というものです。陰陽五行とは、古代中国の人々がそれまでに経験してきた事実を、自然の摂理に従って整理・整頓・分類した考え方です。

陰陽

■陰陽
陰陽とは、この世のすべてが、「陰」と「陽」に二分することができるという考えで、夜が陰、昼が陽、女が陰で男が陽となり、対立したものを陰陽としてとらえます。その他には、父に対して母、上に対して下、往に対して来などがあります。
また、陰陽は、対立するものを固定してとらえるばかりでなく、その時の状況によって変化するものとして考えます。陰は、いつまでも陰ではありません。    同様に、陽はいつまでも陽ではないのです。
女は、男に対しては陰でありますが、子供からみれば陽としての存在となります。男も、動いているうちは陽ですが、静かに横になっている時は陰となります。世の中すべてのものを相対的にとらえるという考え方です。そして、この陰陽の考え方を人間の体に応用した時、下の表のようになります。
分類 体の部位 機能の活動状態 病 症
体表・背部・六臓 興奮・亢進 表・熱・実
体内・腹部・五臓 抑制・衰退 裏・寒・虚
この表でわかることは、陰と陽は表裏一体となっていること、そして病は「陰が強ければ陽が病み、陽が勝てば陰が病む」という関係ができ、これをもとに、治療の方針を考えると、体が熱いときは冷やす(寒)、寒い(冷えている)時は温める(熱)という行為をすると治るという理論になります。

五行論

■五行
五行は自然界のすべては、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)という五つの要素から構成していることを表します。
古代人は、自然界の代表的な素材である木火土金水をえらんで、それらを存在させ働かせるエネルギー・気を考え、その作用を重んじて五行と称しています。
五行でもっとも大切なのは、相生・相剋(そうこく)関係というものです。相生とは、一方が片方を生かすことを意味しています。逆に、相剋(そうこく)とは、一方が片方を抑制するという関係があります。
相生は、創造のサイクルで循環するため、木は摩擦によって火を生じ、火は燃えることで灰、土になる。土は時を経て金属が生まれ、金属はミネラルから水が生まれます。水は木を成長させるという循環が生まれます。生じられる木は強くなりますが、生じる側の水は弱くなります。
相剋は、相生とは逆に、破壊のサイクルで循環します。木が土から栄養分を奪うので、木は土を抑制します。同様に、土は水をせき止めて抑制し、水は火を消して抑制、火は金属を(熱で)溶かし抑制、金は木を切り倒す道具に変化して抑制させます。相剋は、お互いに弱めあうという性質があるため、水は火によって蒸発し弱くなりながら、火は水によって完全に弱くなります。
この五行を、体の中の重要な要素に置き換えると、肝・心・脾・肺・腎という五臓になります。自然界の五大要素に相当するものは、肝は木、心は火、脾は土、肺は金、腎は水となります。
それでは、五臓で相生、相剋の関係をあてはめてみます。肝(木)の働きを良くすれば、心(火)が元気になり(相生)、肝(木)が悪くなれば、脾(土)も悪くなる(相剋)ということです。
また、体内には、五臓を助ける「腑(ふ)」という存在があります。ことわざにある五臓六腑というものです。
肝を助ける腑は胆、同様に、心は小腸、脾は胃、肺は大腸、腎は膀胱が関係し、腑と呼びます。
東洋医学では、これに、心を包んで保護する「心包(しんぽう)」という臓と、臓腑の機能を調整、補佐してくれる「三焦(さんしょう)」という腑の組み合わせを加えて、六臓六腑としています。この六臓六腑が人間の生命活動を維持していると考えられています。
※風水と五行の関係
中国から伝わった占いは、この五行を基準に考えているものが多いです
例えば、人気占い師などが風水で、お金が溜まると言っているお財布の色は黄色(金色)です。金色はお金の金を呼び寄せると言われています。これも五行では金に当てはまるからです。もともとお金が溜まる色は土色と言われています。なぜなら、金の相生関係にあるものは土だからです。土が金を生んでくれるからです。
逆に、散財するといわれているお財布の色を五行で考えると、相剋関係にある火です。火の色は赤、つまり、赤色のお財布は、お金を燃やしてしまいます。   
また、相剋関係を見てみると、金を弱くする原因にあるものは、水です。金は水を生むことで力を弱めてしまうため、金を保存しておく財布の色が水色ですと、金運が落ちてしまいます。

■点を線でつなぐ経絡(けいらく)
六臓六腑が相生・相剋の関係で結ばれて、生命活動を維持するためには、これらをつなげて、エネルギー活動を循環させる必要があります。この循環する道が「経絡(けいらく)」と呼ばれるものです。
経絡は、縦を上下に直行する主要な流れである「経脈(けいみゃく)」と、経脈をつなぎ、網の目のように左右に横行する「絡脈(らくみゃく)」からなり、全身を巡っています。
経絡はさらに、「正経(せいけい)」と「奇経(きけい)」とに分けられます。正経は十二系統に分類され、六臓六腑に関係した名前が付けられています。それが、「肺経」、「大腸経」、「胃経」、「脾経」、「心経」、「小腸経」、「膀胱経」、「腎経」、「心包経」、「三焦経」、「胆経」、「肝経」の十二種類で「正経十二経」と呼ばれています。
一方の、奇経は、十二経の流れを調節する経絡で、「奇経八脈」と呼ばれています。なかでも、「督脈(とくみゃく)」と「任脈(にんみゃく)」が重要な役割をしているため、この奇経を正経十二経とあわせて「十四経」と呼ばれています。

気血水

■体の重要な要素「気・血・水」
経絡には、「気(き)」と呼ばれるエネルギーが流れています。
気は、心身、臓腑(ぞうふ)など、人間のすべてのものを生化する生命活動のエネルギー減で、すべての物質を全身に輸送する動力源ともなります。また、気(き)や津液(しんえき)を全身に循環させ、栄養を補給させたり、汗や尿などの排泄をさせる動力源でもあります。
気は、生まれる時に両親から受け継いだ「先天の気」と、生まれてから、呼吸や食事をすることで発生させる「後天の気」があります。
気が不足すると、血行が悪くなり、血色がよく、太っているが、肌が白くむくんできます。この状態を「気虚(ききょ)」と呼びます。
気によって循環される「血(けつ)」とは、血液とほぼ同様のもので、臓腑、皮毛、骨肉など、人体を構成するあらゆるものに酸素や栄養、ホルモンなどを運んでくれます。
血液循環が正常におこなわれると、五臓六腑を活性化させ、骨、関節、筋肉、肌などが丈夫になり、手足がよく動き、物はよく見え、音はよく聞こえるなど、全身の機能が活発に働いてくれます。
血が不足すると、全身に血液が循環しなくなり、やせて、血色が悪くなる栄養失調のような状態になります。この状態を「血虚(けっきょ)」よ呼びます。
津液(しんえき)は、水(すい)とも呼ばれ、血液以外の体液のことを指します。
津液は、飲食が消化され、栄養のある物質に変化して、小腸と膀胱で濾過、吸収され、必要なものだけが五臓の経絡に注がれて全身を巡ります。
津液が消耗すると、気血も不足してしまいます。また、気血の不足は津液の不足を引き起こします、東洋医学の考え方は、これら気血水が充実し、スムーズに全身に流れることで健康が保たれているとしています。そして、これらが不足したり、滞ったりしたときに病として症状が現れ、経穴と呼ばれるツボに反応が現れます。この、反応が現れたツボを適切に刺激することで全身のバランスが整い、病を改善します。

■お灸で美しくなる:症状別ガイドブック

お灸の歴史

お灸の起源は石器時代の北京原人

■北京原人がお灸を考えた
漢方の治療法は、中国各地の風土特色と密接に関係しながら発達してきました。これは、石器時代でも同じことがいえ、北方地域で生活していた北京原人は、北方、内陸という風土に影響され、病を患っていたと考えられます。
この地域は、標高が比較的高く、冷たい風が吹き、水温も低い、作物は育ちにくい環境のため、牛、山羊、羊を飼い、乳製品を主に食していました。テレビに映るモンゴルの遊牧民のような生活です。
乳製品はその地域にとって貴重な蛋白源なため、摂取すると消化するのに時間も負担もかかります。消化器官の小腸では、乳製品が停滞しやすく、腸機能が低下し、結果として内臓に冷えが生じます。冷えは万病の元、内臓の冷えが全身に巡ることで様々な病を引き起こします。
北京原人は冷えが病を引き起こしていると本能的に察知し温めれば楽になると学習したのではないでしょうか。
■現代のお灸の起源
現代のヨモギから作った艾(もぐさ)を使用するお灸は、約3000年前、古代中国の北方地域で考えられたと中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)・素問(そもん)」に記されています。

前漢時代の中国の歴史書「史記」には、『22年前の前漢初期には、お灸が、東洋医学の治療法として中国全土に広まっていた』と記されています。

お灸は遣隋使によって伝えられた

■お灸の日本伝来
中国から日本にお灸が伝えられたのは、聖徳太子や小野妹子、大化の改新で知られている6世紀、飛鳥時代に、遣隋使によっって仏教と共に中国医学の一つとして伝えられたといわれています。
その後、弘法大使(空海)が平安時代に遣唐使として唐へ渡り、より効果の高い技術を日本へ持ち帰ったとされ、各地で「弘法の灸」として伝えられるようになりました。

お灸は平安時代、貴族の間で普及

■お灸はセレブのたしなみ
平安時代、医師の丹波康頼(たんばやすより)が著し、朝廷に献上した日本最古の医学書「医心方」には、鍼灸治療について詳細な記述がみられます。しかし、この時代には、庶民ではなく、一部の貴族の間でお灸が行われていました。
余談ですが、この康頼の出身は京都、現在の亀岡市と言われており、そのため、鍼灸の原点にちなんで、同じこの地に、私の母校である明治国際医療大学(旧:明治鍼灸大学)が建てられました。

■庶民に広まったお灸
平安時代よりあるお灸治療も、庶民の間で行われるようになったのは鎌倉時代以降といわれています。
江戸時代になると、お灸は庶民が誰でも自分でできる治療として広まりました。
この時に広まったのが「弘法の灸」です。 その他にも、専門家による家伝の灸として発達し、公家や医官の間では「名家灸選」や「灸法指南」などの書物が残されています。

松尾芭蕉は三里にお灸をして旅を続けた

■奥の細道
日本古典の紀行作品の代表的人物に松尾芭蕉があげられます。
芭蕉の代表作「奥の細道」では、『三里に灸すゆるより・・・』とあります。
三里とは、「足三里(あしさんり)」と呼ばれるツボのことで、膝の下、スネの骨の外側に位置します。旅路での足の疲れや神経痛を癒すことに活用され、そのほかにも足三里は胃に関係するツボのため、胃の働きを整えることで、全身に栄養を巡らせ旅を継続するための目的にツボを刺激したと捉えることができます。
※日本三大随筆(徒然草、枕草子、方丈記)の一つ、徒然草の中では、40歳以上の人は、三里に灸を据えることでのぼせ(高血圧)を改善させる効果があると紹介しています。
このようなことをきっかけに、庶民の間で民間療法の一つとしてお灸が広まっていきました。

■お灸の法律
明治に入ると、日本の文化は西洋化が進み、医学の世界でも西洋医学が主体となってきました。そして、鍼灸は民間療法として位置づけられ、表舞台から一歩引く形となりました。
明治44年には、鍼灸に関する初めての法律が作られましたが、昭和20年、第二次大戦敗戦後、マッカーサーにより鍼灸行為を禁止させられます。
昭和22年には、国家資格の身分制度として認められました。


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お灸について

お灸のもぐさ

■お灸とは
お灸療法は、ヨモギの葉を生成して艾(もぐさ)をつくり、直接、または間接的に体の悪い部分やツボと呼ばれる場所に艾(もぐさ)をあてて火をつけ、温熱刺激を利用して病の予防や治療をおこなう治療法です。
お灸は、「久(おしあてる)」と「火(つける)」を組み合わせることから、「火を押し当てて病を拒ぐ(ふせぐ)」という意味があります。
近年では、お灸をするうえで先入観のある「熱い」、「臭い」、「煙たい」を払拭するため、さまざまな新しい形のお灸が生まれています。  「熱い」というヤケドのイメージに対しては、現代人に合わせて、艾(もぐさ)が燃焼する温度を低めに設定した間接灸(台座灸)を開発しています。
においが「臭い」という方、また特に若い方には仏壇のお線香を想像させる、辛気臭いイメージから嫌がられることがあるため、アロマの流行と共に、バラやアップル・ピーチ・ラベンダーなど、香りのするお灸が登場しました。
「煙たい」と嫌がる人、そして年々厳しくなっている建築基準法によって、火災報知器(煙に反応するもの)の設置が義務付けられたことに対応するため、煙もにおいもほとんど出ない無煙タイプのお灸や、煙が出なく一定の温度で温めることのできる電気温灸器というものが開発されました。

お灸の風景

■お灸が体に良い理由
艾(もぐさ)は、ヨーロッパでは“ハーブの女王”、“ハーブの母”と呼ばれており、腹痛、下痢、そして殺菌、解毒作用や保温効果など様々な症状に効果があるといわれています。そして、お灸をする際、温熱効果と共に、艾(もぐさ)の精油成分である「チネオール」という物質が皮膚から浸透し、血液中の白血球を増加させ、体の免疫力を高めると言われています。このお灸を症状別に効果のあるツボにすることで効果は更に高まります。
また、お灸の熱刺激は、ヒートショックプロテインを体内で生産し、体の機能を活性化させてくれます。
ヒートショックプロテインとは、傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質のことで、免疫細胞の働きを強化し、乳酸の産生を遅らせてくれます。
人間の体は、約60兆個の細胞からできており、そのほとんどがタンパク質でできています。私たちの体は、ストレスを受けることによって様々なタンパク質が傷つきます。ヒートショックプロテインのすごいところは、全身どこでも、どんな傷つき方をしても、傷ついた場所へ駆け付けて修復作業をしてくれます。つまり、お灸を体のどこへしても間接的に治療してくれることになります。ツボにお灸をすることによってチネオールの効果と共に治療効果はさらに倍増します。
ヒートショックプロテインは、最近になり、テレビや雑誌で注目を浴びていますが、鍼灸の分野では、10年以上前から、この研究や臨床データが存在しています。

■お灸で美しくなる:症状別ガイドブック