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ドライアイ

■どんな場合が「ドライアイ」なの?

近年、生活環境の変化からドライアイになる方が急増しています。
具体的には、以下の症状のうち5つ以上当てはまったかたはドライアイの可能性があります。

□普段からとても目が乾く □目が疲れやすい □目がゴロゴロする
□目が痛い □風や光、タバコなどの煙が目にしみる □目に不快感や違和感がある
□目が充血しやすい □視界がぼやける □日常的に目がかゆい
□何もしてないのに涙が出る □起床直後に目を開けられない □白い目ヤニがよくでる
□一日中、目が熱い □普段から眼が重たい □10秒以上目を開けていられない


■ドライアイについて

ドライアイは昔から多くの報告がありましたが、失明などの重篤な事態に発展することがほとんどないため、あまり重要視されてきませんでした。
しかし、近年では生活環境の変化からドライアイになる方がさらに急増し、その治療に注目が集まっています。

ドライアイ患者急増の大きな原因として
・コンタクトレンズ使用者の増加
・パソコンやテレビゲームなどの「目を酷使する機会」が飛躍的に増えたこと
などが挙げられます。

鍼灸師の立場から言うと、ドライアイの原因は目の酷使だけにある訳ではなく、(目に負担が少ない生活環境であっても)肩や首まわりのコリが強い方は目の血流も悪いため、ドライアイになりやすい傾向にあると言えます。


■ドライアイの症状

目が乾く、痛みがある、頻繁にゴロゴロする、目がしみる、といった症状は、目の乾燥からくる典型的なドライアイの症状です。
目が乾燥する以外にも、疲れやすくなる、かゆみがでる、頻繁に充血する、日常的に熱く感じるなどの症状もあり、悪化すると目の奥が痛くなり頭痛を引き起こすこともあります。

また、目に何らかの異常があるとイライラやストレスが増大し集中力もなくなるため、単に「目が乾く」だけがドライアイの弊害とは言えません。


■「涙」について

涙は目の乾燥を防ぐことはもちろん、眼球を洗い流したりするだけでなく、殺菌効果があり、また、目に必要な酸素や栄養も補っています。
涙の量が充分でないと目の表面は傷がつきやすくなり、ゴロゴロしたりぼやけたり、日常的に充血したりと、不快な症状があらわれます。

ドライアイは単に涙が不足して目が乾いているだけではありません。
ドライアイをきっかけとして目に様々な症状が起こり、角膜や結膜など目の大切な部分に傷ができてしまうことで、他の眼病にもなりやすくなってしまうのです。


■ドライアイの分類

ドライアイという病気は、一般的に
(1)涙の量が減ってしまう「涙液分泌減少型(るいえきぶんぴつ げんしょうがた)」
と、
(2)すぐに涙が蒸発して目が乾いてしまう「涙液蒸発過多型(るいえきじょうはつ かたがた)」
の二つの型に大きく分けられます。

それぞれの型の特徴をまとめると、以下のようになります。

(1)涙液分泌減少型の特徴

涙液分泌減少型は、涙の量そのものが少なくなることで目が乾きやすくなってしまいます。特に中高年の女性に多いと言われています。
またシェーグレン症候群という目や口が乾く病気によって涙がほとんど出なくなり、その結果としてドライアイになることもあります。

(2)涙液蒸発過多型の特徴

涙液蒸発過多型は、パソコンの画面などを凝視する人に多いです。
正常な人では1分間に20〜30回のまばたきをするものですが、凝視する人はその1/3程度しかまばたきをしていないと言われています。
まばたきの回数が少ないため眼球が直接外気に触れる時間が長くなり、結果として目を潤滑にしている涙がすぐに乾いてしまうのです。

また、コンタクトレンズを使用することでも涙が蒸発しやすくなります。
特にソフトレンズは涙を吸収してレンズ表面から水分が蒸発するため、裸眼の状態に比べて目が乾きやすくなります。
一方、ハードレンズは酸素透過性が高く水分の蒸発が比較的少ないため、ソフトレンズに比べ、よりドライアイに適したコンタクトレンズだと言えます。


■普段の生活でできる「ドライアイ」の対策

日常生活で以下の点に気をつけていると、ドライアイ対策としての効果が期待できます。
(1)1時間ごとに10分程度の休憩を取る。
  現代社会はとにかく目を酷使します。意識して、一時間ごとに休息を取るようにしましょう。

(2)加湿器などを使い、部屋の乾燥を防ぐ。
  乾燥はドライアイの天敵です。加湿器などを使い、室内を適度な湿度に保ちましょう。

(3)エアコンなどの風を直接目に当てない。
  強い風が直接目に当たるとドライアイになりやすくなります。風の発生源やその向きにも注意しましょう。

(4)テレビや携帯型ゲーム機/携帯電話、パソコンの画面は目より下方に置き、上を見ないようにする。
  上を見ようとすると目が開き、眼球が直接外気に触れる面積が大きくなるため、乾燥しやすくなります。

(5)肩コリや腰痛は目の血行を悪くするため、普段からこれらの予防に努める。
  肩のコリや腰痛は、血流の関係から目にも影響がでます。特に、同じ姿勢を長時間続けなければならない方は定期的にストレッチをし、意識して筋肉のコリをほぐすようにしましょう。


■ドライアイの鍼灸治療について

近年、ドライアイの患者さんが急増し、当院でもよく治療を行っています。
主に、太陽(たいよう)という「こめかみ」の辺りのツボに鍼(はり)をしたり、肩や首周りの緊張をとって血流を良くするような治療をします。
また、鍼灸治療で涙腺の機能が高まって涙がよく分泌されるようになり、同時に涙の量も増えてきます。

鍼灸治療は本来、病気ではなく人を診ます。
ドライアイといっても原因や症状は人それぞれですから、ドライアイ治療をあきらめて、ただ点眼薬を差しているだけの方に特にお勧めします。

まずは、ぜひ一度お気軽にご相談ください!

黄斑変性症(おうはん へんせいしょう)

■黄斑変性症とは

近年著しい増加がみられる目の病気です。欧米では、失明の原因として最も多いのが黄斑変性症なのです。
日本においては失明原因のトップは糖尿病性網膜症ですが、黄斑変性症は第3位になっています。

黄斑変性症に至る理由ですが、その多くが加齢によるものです。
50歳代から増え始め、進行が遅いために自覚しにくく、見えない範囲が大きくなっていったり、あるいは視力が良かったのに急に見えなくなって気が付くことも多いようです。
また、食生活の欧米化や超高齢社会も黄斑変性症患者の増加原因の一つで、特に動脈硬化による血流の低下などが原因と考えられています。
男性の発症率が女性の3倍近い数値になっているのも黄斑変性症の特徴です。

黄斑変性症の主な症状としては、
・ものが歪んで見える
・視界の中心部がぼやけていて見えなくなる
 (中心暗点といい、視界周辺は普通に見えるものの、視界中央部の見ようとするものが見えない状態)
・進行すると視力が低下する
と言ったものがあげられます。

< 正常な見え方と黄斑変性症が進行した場合の見え方の違いは、以下の写真のようになって現れます >
正常な見え方 黄斑変性症が進行した場合の見え方
正常な見え方 黄斑変性症が進行した場合の見え方


■黄斑変性症のメカニズム

まず、人間が「ものを認識できる(=ものが見える)」仕組みをご説明しましょう。

人間の目から入った様々な光は、まず角膜、水晶体、そして硝子体(しょうしたい)を通り、最後に網膜(もうまく)へ到達します。
網膜に集めた光の情報をその中心にある黄斑(おうはん)という部分を通じて神経に伝わり、そして目で見た情報として脳に送られています。

黄斑変性症は、この「黄斑」や、その周囲にある網膜という「視神経に光の情報を伝える部分の細胞」が老化によって機能低下を起こしている状態なのです。

目の血流が低下すると、老化した網膜の毛細血管は目詰まりを起こし、血液が流れて行かないようになります。

血流がない場合、網膜の細胞は酸素と栄養の不足から新しい血管を引き込んだり、または、新しい血管を作り出してしまいます。
これを「新生血管(しんせいけっかん)」と言い、本来あってはいけない血管が作られてしまいます。
新生血管の壁は非常に薄いためにとても脆(もろ)く、網膜に無数に張り出して漏れたり破れたりして視細胞の機能を壊してしまいます。
この状態を滲出性(しんしゅつせい)の黄斑変性症と呼びます。


■黄斑変性症を治すためには?

目のトラブルの発生原因は、その多くが生活習慣によるものとも言われています。
治療の前に、まずはご自身の「生活習慣」を見直してみましょう。
たとえば、目の使い過ぎや不眠・不休、過度のストレスも原因の一つにあげられます。また、栄養過多・不足、過剰な飲酒・喫煙なども目に大きなダメージを与えますのでご注意ください。


■鍼灸(しんきゅう)治療の有効性

西洋医学では黄斑変性症に対して大きな成果をあげる治療方法が未だに確立しておりません。そのため、現状では「有効な治療がなされていない」と言わざるを得ません。
特に、老化に伴う細胞の変質である「加齢性黄斑変性症」を完治することは残念ながら難しいです。

しかし、東洋医学には有効な治療法として鍼灸があります。
鍼(はり)やお灸をすることで血流が改善され、黄斑部の回復や症状の進行をできるだけ遅くすることができます。
また、視力の維持、あるいは視力の回復により、黄斑変性症の一番の症状である視界の狭小化を防ぐことも可能なのです。

鍼灸治療はこういった分野に長けています。
過去には視力が大きく回復した例もあり、治療効果は充分な可能性を持っています。

症状が早い段階の患者さんほど早期の鍼灸治療で効果を期待できますので、ぜひお早めにご相談ください。

視神経乳頭炎(ししんけい にゅうとうえん)

視神経乳頭炎(視神経症)は、視神経炎、乳頭炎の総称です。

視神経炎とは眼球と脳をつないでいる神経に炎症が起こり視力に障害を来たし、放置すれば失明につながることも多い重大な病気です。
また、病気の進行が早いことが多いため、一刻も早い治療が必要となります。

乳頭炎は、眼底にある視神経乳頭やその周りが腫れるもので、比較的小児に多く見られます。


■原因

どちらの病気も、原因はウイルス感染や多発性硬化症、副鼻腔炎、アルコール中毒などがありますが、原因不明の場合も少なくありません。

■症状

主な症状として、
・急激な視力低下や視界が狭くなる視野狭窄(きょうさく)
・視野の真ん中に黒く見えない部分が小さく出来たりする中心暗点
と言ったものがあげられます。

視神経乳頭炎患者の多くは眼底検査で視神経乳頭の充血および腫れが認められます。
多くのケースは片目だけに症状が見られますが、急速にもう一方の目にも発症し両目を失明することもあります。

■鍼灸治療

近年、病院で視神経炎や乳頭炎と診断された方の中には前述の病名ではなく、極度の眼精疲労からくる症状の場合もあります。
そのような場合は特に鍼灸治療が有効とされ、回復度合いも早くなります。

もちろん、完全な視神経炎や乳頭炎の場合でも、個人差はあるものの充分に回復可能です。
基本的には早期治療、安静が必要となります。
  視神経乳頭炎治療の様子

鍼灸においての治療方法は、局所治療としてこめかみにある太陽(たいよう)と首の後ろにある天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)などのツボを刺激します。
これらの鍼灸刺激により網膜(視神経乳頭付近)の血流が正常化し、炎症の回復及び症状の改善がみられます。

そもそも、視神経乳頭炎を発症した原因としてストレスや疲労の蓄積が背景にありますから、局所的な治療だけでなく全身的な治療を併せて行うことで回復を早め、同時に、再発防止につなげていきます。
そのため、問診のなかで原因を突き止め、その人に合った治療方法をそのつど選択していくのです。