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症状別Q&A

5月病はうつ病ですか

4月、新年度がスタートすると新学年、進学、就職、部署異動など大きな環境の変化が起こることがあります。そんな時、環境の変化についていこうと一生懸命生活していると、5月のゴールデンウィークで羽根を伸ばした後に仕事や学校に行く気持ちが薄れたり、億劫になったり、やる気が出なくなることがあります。いわゆる「5月病」と呼ばれる状態です。

5月病は正式な病名ではありませんが、5月のゴールデンウィーク明けを中心に春先に増加する一過性の心身の不調として注意促されていて、うつ病の始まりと思ってください。

うつ病は、脳のエネルギーが欠乏した状態となる気分障害の一つですから、5月病とうつ病に関係が深いことがよく分かると思います。

「新型うつ」に鍼灸治療は効果がありますか

「新型うつ」とは、うつ病の種類の中で「非定型うつ」に分類されます。

非定型うつ病は、従来型のうつ病との違い、ストレスを感じるときは気分が落ち込む一方、ストレスを感じない、遊ぶ時には気分が良い、なんでも他人のせいにしがちな他責思考、過眠、過食、体の鉛のような重さという症状が挙げられます。

このような特徴のうつ病に対しては、患者さん自身の体質やその日の体調に合わせて治療方針を調節できる鍼灸治療が効果的です。

TMS治療を何回もおこなったけどうつ病が治りませんでした

うつ病に対してTMS治療を複数回おこなっても回復せず、またはTMS治療で一度は回復したけどすぐに元の状態に戻ってしまった患者さんが当院へ来院したケースもあります。

うつ病は、体質や環境によっても回復傾向が異なるため、根気よく治療する必要があります。しかしTMS治療のように保険適応外で、1クール何十万円も必要な治療を何回もおこなえないため当院へ相談される患者さんも少なくありません。

うつ病だけに言えることではありませんが、患者さんご自身が納得いく、治療に専念できる治療法を選択されることが重要です。当院の鍼灸治療では、患者さんに対して、まずは現在の状態を把握していただくこと、そしてこれからどのような治療が効果的なのかをご説明したうえで治療を開始します。

うつ病を発病してから何年も経過しています。

うつ病を発病して薬物療法で何年も経過して回復傾向に無い方が当院へ来院されることもあります。

一般的に「うつ病」で薬物療法の種類が合っていない場合や、うつ病ではなく双極性障害であるケースもあります。そんな状態の患者さんでも鍼灸治療は効果があります。もちろん、発病から時間が経過しているほどすぐに鍼灸治療効果の効果が現れるものではありませんが、一歩一歩確実に回復できるようにお手伝いします。

うつ病について参考になる本はありますか

もちろんあります。
当院著書の「うつを鍼灸で治す」が参考になると思います。
うつを鍼灸で治す

うつ病かなと思った時や、うつ病でお悩みのご家族にはわかりやすい事例も掲載してあります。
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日本人の5人に1人は「うつ症状」を経験していると言われており、今はうつは日本人の国民病となっている。
一般にうつ病の治療には、抗うつ薬が使われるが、不適切な利用による副作用などによって悪化することもあるし、新型うつのように従来の抗うつ薬があまり効かないケースも出てきている。
 
そうしたうつ病に悩む多くの現代人にぜひ試してほしいのが、鍼灸によるうつ治療。鍼灸は肩こりや腰痛など身体の不調を治すものという印象が強いが、うつ病、気分障害、自律神経失調症、睡眠障害など、心の疾患にも効果がある。意外と知られていないが、鍼灸がうつの治療に効くことは、WHOでも認められていることなのだ。
また、薬のような強い副作用がないこともメリットと言える。・・・出版社より引用

うつ病に鍼灸治療は効きますか-1

NIH(米国 国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果について有効であると発表しました。

WHO(世界保健機関)のレポート(2002)に「臨床試験によって鍼が有効とされた」と記載されている疾患・症状(鍼灸に非常に好意的なレポート)には
Depression (including depressive neurosis and depression following stroke)
うつ病 抑うつ症(抑うつ神経症と脳卒中後の抑うつ症を含む)
と明記されました。

うつ病の治療にはどんなツボを使いますか

うつ病の治療では、まず不足しているセロトニンなどの神経伝達物質を正常に放出してもらうため、脳の血流循環を改善するためのツボを使用します。
例えば、首周りにある「天柱」、手にある「合谷」などが代表的なツボです。その他にも、自律神経症状に対しては頭にある「百会」などのツボもよく使用します。

うつ病に鍼灸治療は効きますか-2

うつ病に鍼灸治療は効果があります。
双極性障害の慢性的なうつ症状に対し鍼治療が有効であった1症例 松浦 悠人ら
という研究一例では、治療対象として、うつ病、双極性障害の診断を受け、かつ二種類以上の薬剤により十分な治療で改善しなかった患者さんに対して、基本的な治療とその他身体症状に合わせた治療を週一回おこなうことで一定の改善が見られ、その効果は治療終了後二ヶ月は持続するとの報告でした。
 
この他にも、双極性障害に対する臨床研究の成果は全日本鍼灸学会をはじめ、さまざまな学会で報告されています。

双極性障害とはどんな病気ですか

双極性障害とは 躁(気分が激しく高揚した状態)と 抑うつ(気分が著しく落ち込んだ状態) の両極端な状態を繰り返す病気です。(気分障害に分類されています)
 
双極性障害は、以前は「抑うつ病」とも呼ばれていましたが、うつ病は違う病気で治療法も異なります。
 
双極性障害の原因は複合的な要因によることが多く、うつ病と比べ身体的要因など内因の割合が大きいことが特徴です。
 
そして、双極性障害の多くはうつ状態から始まるために、練熟した専門医の問診をもってしても区別がつきにくいケースもあります。うつ病の治療をしてもなかなか治らない場合に、実は双極性障害だったということは少なくはありません。
 
※参考 :精神疾患の診断・統計のマニュアル DSM-5 :厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

双極性障害の症状をまとめます

躁状態の特徴
  • 睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
  • 寝なくても元気で活動を続けられる
  • 人の意見に耳を貸さない
  • 話し続ける
  • 次々にアイデアが出てくるが最後までできない
  • 根拠のない自信に満ちあふれる
  • 買い物やギャンブルにお金を使いすぎる
  • 初対面の人にやたらと声をかける

うつ状態の特徴
  • 食欲がない
  • 眠れない、過度に寝てしまう
  • 体がだるい、疲れやすい
  • 頭痛や肩こり
  • 動悸
  • 胃の不快感、便秘や下痢
  • めまい
  • 口が渇く

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