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ブログ : 2024年10月

コロナ後遺症に対するクリニックと鍼灸の連携

コロナ後遺症の治療
当院所属の全国鍼灸マッサージ協会と懇意にしている
コロナ後遺症の治療で有名なヒラハタクリニックの
平畑先生が協会会報誌に執筆されました

題名は
「コロナ後遺症に対する医科と鍼灸・マッサージの連携」
この中ではコロナ後遺症の治療で
鍼灸治療の重要性を解説してくれました

以下に文章引用します
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モデルナ社の推定によれば、現在、日本では5000万人以上の方が新型コロナウイルス感染症に罹患したとされています。2023年に厚労省が発表した調査では、感染者の11.7~23・4%が後遺症になっていると報告されました。少なく見積もっても数百万人の患者さんがコロナ後遺症に苦しんでいると考えられ、大変な社会問題です。
 
一方で、コロナ後遺症患者さんの多くは、検査では大きな異常所見を認めない方々です。西洋医学は、「検査→標準治療」という武器が使えないと、非常に脆弱な側面があります。多くの患者さんが「検査で異常が出ないからあなたは病気ではない。気のせいか、精神病だ」と医師に突き放され、非常に悲しく、つらい思いをされています。「検査で異常が出ない」というだけで考えることをやめる医師の存在は、今後しっかり問題視されてしかるべきですが、一方で、医師が検査で異常が出ない時の対処法を教育されていないという側面もあります。
 
コロナ後遺症はまた、様々な症状が出たり消えたりする、ということが特徴の一つとなっています。このことがまた「不定愁訴」として医師に切り捨てられがちということにつながっています。複数の診療科を受診して異常が出ない検査をひたすら受けさせられ、経済的に追い込まれるのに、医師は首をひねるばかり、ということも多発しています。このような時に必要なのは、検査に頼らず、その患者の症状のつながりを把握し、全人的に診ていく医術・技術です。
 
その医術、技術こそ東洋医学の叡智なのではないでしょうか。「傷寒論」の巻第三・太陽病脈証井治中第六には、「傷寒八九日、之を下し、胸満煩驚、小便不利、譫語、一身悉く重く、転側すべからざる者は、柴胡加竜骨牡蠣湯之を主る」と、まさにコロナ後遺症にそっくりな症状が書かれており、先人たちがはるか昔から対処してきた病態であることが分かります。本来、コロナ後遺症に限らず、医師は東洋医学を学び、患者を全人的に診る技術を養うべきですが、高度に細分化・専門化された医療の提供に手いっぱいであることがほとんどと思われます。患者さんの身近で東洋医学を提供されているのは、鍼灸・マッサージ師の皆さまですから、医師は積極的に連携して患者さんの治療に当たるのが望ましいと言えるでしょう。
 
当院は2020年3月にコロナ後遺症の診察を始めて、今まで7000人以上のコロナ後遺症患者さんを診察させていただきました。その中で、経絡治療は実に大きな治療効果を上げています。痛みや筋肉関連の症状は経筋病という側面が強くありますし、中途覚醒はほとんどの場合、腎虚を解決すればかなり改善します。ブレインフオグ(思考力低下)も、下肢の経絡治療や頭皮鍼で改善することが非常に多いようです。俗怠感についても症「状が出る負荷をかけない」という生活療法の原則を守りつつ、経絡治療をするだけでかなりの方を改善させることができます。当院のコロナ後遺症治療は今や、経絡治療が方剤による治療と並んで最重要の治療法となっており、西洋医学は他疾患鑑別と対症療法のための武器としています。
 
数百万人の患者さんを救うには、鍼灸・マッサージ師の先生方のお力が絶対に必要です。よろしくお願いいたします。
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当院でもコロナ後遺症患者さんが急増していた段階から
コロナ後遺症に対する鍼灸治療をおこなってきました

コロナ後遺症の症状は感染したコロナの種類によっても
症状やその度合が異なり
患者さん一人ひとりに合わせて治療法を考える必要があります

現在でもコロナ後遺症でお悩みの方
お気軽にご相談ください

 コロナ後遺症外来


 

抗がん剤の副作用を軽減させる鍼灸治療

抗がん剤の副作用の軽減に鍼灸治療という選択

抗がん剤の副作用を和らげ、患者さんの負担を減らす「支持療法」が進化しています。
というか、鍼灸業界では当たり前のことで、「がん」という病気を診るのではなく、患者さんを診る鍼灸治療は、なぜ、患者さんは苦痛に悩んでいるのか?その本質を探り治療する医学だからです。

今回ご紹介する「支持療法」とは、2024年9月28日付の日本経済新聞に掲載された記事

抗がん剤副作用、負担軽く 「支持療法」にはり・きゅう

を題材にしています。

現在、2022年にがんで死亡した人は385,797人で、男性は25.1%(4人に1人)、
また、がん死亡数の順位は、1位肺がん、2位、大腸がん、3位胃がん、4位膵臓がん、5位肝臓がんとなっています。
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人で、だれでも悪い意味で身近な病気といえるでしょう。

では、「がん」になった時、どのような治療がなされるのかというと、手術、ホルモン療法、抗がん剤、放射線等さまざまです。
ここでどの治療法にもいえることが、「副作用が大きい」ということです。
がんの治療には、少なからず副作用という問題に直面します。
副作用には

  • 手術後の痛み
  • 抗がん剤投与後のしびれ
  • 倦怠感
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 脱毛

などが主にあげられます。
今回の掲載記事では

❝抗がん剤の副作用を和らげ、患者の負担を減らす「支持療法」が進化しつつある。副作用を抑える薬の改善が進み、はりやきゅうで生活の質(QOL)向上をめざす方法にも期待が集まる。「治療はつらいものだ」と諦めずに、困りごとは医師や看護師に迷わず相談することが大切だ。❞

と挙げられ、また抗がん剤の副作用に対する鍼灸治療は

❝手術後の痛みや抗がん剤投与後のしびれ、倦怠(けんたい)感などを薬でも取り除けない場合に実施する。「患者さんが抱えるさまざまなつらさを軽減し、QOLを高められると実感している❞

と述べられています。
しかし、病院等の医療機関で鍼灸治療をおこなう際に問題もあります。それは

現行の保険制度では、はり・きゅうを抗がん剤治療と同時に受けると混合診療とみなされ、抗がん剤も含めた治療が全額自費となる

ということです。

これは以前からある問題で、がん患者さんが入院中は鍼灸治療が実質できない状態です。しかし、外出許可がおりて鍼灸院に来院される患者さんの場合、鍼灸治療だけ実費でおこなう方法で治療が可能となっていました。

抗がん剤の副作用の軽減に鍼灸治療

鍼灸治療は、患者さん自身の免疫力、自然治癒力を高める医療です。
抗がん剤の副作用で苦しむ患者さん、手術後の痛みで苦しむ患者さん、白血球数が少なすぎて放射線療法ができない状態の患者さんに鍼灸治療をおこなうことができます。
「がん」で悩む患者さん、またはがんで患うご家族をお持ちの方には鍼灸治療という選択肢を覚えていただきたいです。


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