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ブログ : コロナ後遺症: 2024年7月
コロナ後遺症リスクは3年後も残存する調査結果が出ました
世界規模で猛威をふるった新型コロナウイルス感染症ですが、とある研究機関の調査では、見逃せない結果が出ています。
新型コロナウイルスの感染は、多くの臓器系に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症を引き起こしますが、これらの後遺症のリスクに関する長期の追跡調査のデータは限られています。
この研究では、SARS-CoV-2の感染者群13万5161人と対照群520万6835人のコホートを米国退役軍人省のデータベースから構築し、3年間追跡して死亡とPASCによるリスクを推定しました
SARS-CoV-2に感染したものの入院しなかった患者では、死亡リスクの増加は感染後2年目には見られなくなり、PASCの発症リスクは感染後の3年間で低下した。それでも感染後3年目において、PASCによる障害調整生存年数(DALY:disability-adjusted life year)への影響が1000人当たり9.6年(95%信頼区間[CI]:0.4-18.7)となった。
一方、SARS-CoV-2の感染によって入院した患者において、感染後の3年間で死亡リスクは低下したが、感染後3年目でも対照群と比較すると有意に高いままだった。PASCの発症リスクは3年間で減少したが、3年目において1000人当たり90.0年のDALYへの影響をもたらしています。
以上から、COVID-19感染者では、時間の経過とともに死亡やPASCのリスクが減少していくが、感染によって入院した患者については、健康への悪影響が感染後3年目にも残存していることが示されました。
※参考文献:Cai M, et al. Three-year outcomes of post-acute sequelae of COVID-19. Nat Med. 2024;30(6):1564-73.
※PASCは、ネットでは、ロングCOVID(ロングコロナ)と呼ばれていますが論文ではPASCとも呼ばれることが多いようです。PASCは、SARS-CoV-2感染の急性後後遺症(postacute sequelae of SARS-CoV-2)の略語です。
※障害調整生存年数(Disability-Adjusted Life Year: DALY)は、健康状態を評価するための指標の一つです。簡単に言うと、DALYは病気や障害による健康損失を年数で表したものです。具体的には、次の2つの要素から構成されます:
- 早期死亡による損失年数:病気や障害で早く亡くなったことによる損失年数。
- 障害による損失年数:病気や障害を持ちながら生活することで失われた健康な年数。
DALYは、これらの2つの要素を合計することで算出されます。つまり、DALYが大きいほど、その病気や障害が個人や社会に与える負担が大きいことを意味します。
例えば、ある病気が原因で5年早く亡くなり、その前に10年間障害を持って生活した場合、その病気によるDALYは5年(早期死亡による損失年数)+10年(障害による損失年数)=15年となります。
このように、DALYは個人や集団の健康状態を数値化し、病気や障害の影響を総合的に評価するための重要な指標です。
※参考:令和元年~3年度厚生労働科学研究費補助金
(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)
「栄養政策等の社会保障費抑制効果の評価に向けた医療経済学的な基礎研究」
新型コロナの後遺症は罹患時から持続する症状と、回復した後、新たに出現する症状があります。
その中でも特に多いのが
となっております。
倦怠感などの後遺症を和らげる治療
調査結果の内容は詳しく理解するのが難しいと思いますが、要は、後遺症があらわれた時は、3年後でも症状が残ってしまうことがあるということです。
それでも、しょうがないと思い何もしないのも苦しいですし、治療法がないわけではありません。
コロナ後遺症の治療法では、鍼灸治療も有効な治療法の一つです。もともとコロナ後遺症の原因の一つは、サイトカインストームと呼ばれる強力な免疫反応を引き起こすことがあります。この免疫反応が、炎症や痛みをはじめとする後遺症を引き起こしていると考えられています。
鍼灸治療では、このような免疫反応を鎮め、症状に影響している自律神経の機能を活性化させることができるため、さまざまな後遺症の症状に対応できます。
当院のコロナ後遺症外来について
コロナ後遺症の治療は予約優先制となっております。そのため、
・事前にご予約ください。予約時、「コロナ後遺症」とお伝えください。
・往診治療も対応しております。※対象者は、外来同様です。
注意点としまして、
・コロナ感染療養期間中の方の治療は、お断りしております。
・現在発熱している方は受け付けておりません。
・状態によっては、病院への受診をお勧めする場合があります。
当院の感染症対策
・窓の開放や換気扇による開院時間中の常時換気をおこなっております。
・患者、スタッフともに院内でのマスクの着用を義務付けております。
・スタッフの手指洗浄・消毒をおこなっております。
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