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緩和ケアで癌(がん)と共に生きる

緩和ケア病棟というと暗く、寂しいイメージを持たれる方が多いと思います。しかし、実際の緩和ケア病棟は皆さんがイメージされるのとは少し違います。この動画をご覧いただき、そんな様子を感じとっていただければという思いを込めて作成いたしました。
…youtube ホスピス緩和ケア週間
 
 
WHOでは
 
「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価をおこない、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティー・オブ・ライフを改善するためのアプローチである。」
 
と定義しています。

 
ホスピス(緩和ケア病棟)は、癌の終末期(余命約半年以内で治療が難しいと考えられる時)の
 
「患者さんの身体の苦痛や精神的な苦悩を和らげ、残された大切な時間を、その人が その人らしく過ごせるようにする」
 
ための医療施設です。
 
そこでは必要な医療とともに、人生の最後をより有意義に、悔いなく過ごすためにあたたかいケアを提供することを目的としています。
 
 
 
緩和ケアの理念は
すべての人が「その人らしい人生を全う出来る様に」
人生を「より豊かで意義深いものにする」
ための機会づくりです。
 
 
 
 
緩和ケアのポイントは
1. がんによる痛みなどの辛い症状を十分に取り除いてあげる
2.患者さんとのコミュニケーションを大切に
3.家族のケア
となります。

緩和ケアはこれからのために、最期ではなく、最初に相談に行くところだと思います。

病院と緩和ケアとの違いの一つにモルヒネなど認識の違いがあります。

まず

がん患者さんの痛みの性質は
 
・痛みがいつまでも続くということ
・身体的原因による痛みが精神的なもので修飾されること
・鎮痛薬が効く痛みが多い

があります。



癌の痛み止めとして使うモルヒネに対する誤解や偏見として
 
・寿命が縮む
・中毒になる

など言われることがありますが、モルヒネは正しく投与される限り
・危険はなく痛みなく快適に過ごせる
・痛みを訴える患者さんに投与する限り中毒にならない
というのが真実です。

医師を含めモルヒネに対する誤解があるために緩和ケア先進国と比べ
日本のモルヒネの使用率は1/3以下となっています。

そのため痛みにただただ苦しみ絶望する癌患者さんが多い日本です。



2020.10.31中日新聞でも掲載されたように
国立がん研究センターが実施した遺族調査では
・亡くなるまでの1ヶ月間に患者が痛みを感じた 40.4%
・患者がつらい気持ちを抱えていた 42.3%
・遺族が長く嘆き悲しんでいた 30.1%

など痛みや苦痛への対処が足りないを中心に緩和ケアが不十分という結果が公表されました。

当院がボランティア活動をおこなっている豊橋医療センターは、 日本でも有数の緩和ケア病棟があり、常日頃から緩和ケアに対しての啓蒙活動をおこなっています。

今回の埋め込み動画も緩和ケア啓蒙活動の一環です。

終末期にどのような医療を受けたいのか、むしろ終末期ではなく、癌を宣告されたら、まず治療を含めた選択肢を考えるきっかけとして緩和ケアを思い出してほしいです。

鍼灸治療では、患者さんに寄り添い、心と痛みを緩和する治療をおこなっています。

それでは動画を御覧ください。


 

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